1995年に公開されたアメリカ映画『クイック&デッド』は、サム・ライミ監督が西部劇に挑んだ異色作です。シャロン・ストーン、ジーン・ハックマン、ラッセル・クロウ、そして若き日のレオナルド・ディカプリオといった豪華キャストが集結し、荒野の町を舞台に繰り広げられる早撃ち大会と、その裏に 秘められた復讐劇を描きます。
映画『クイック&デッド』のネタバレ!壮絶な早撃ち大会と復讐の結末
悪名高き権力者ジョン・ヘロッド(ジーン・ハックマン)が支配する町リデンプションに、謎の女ガンマンエレン(シャロン・ストーン)が現れます。町では高額な賞金が懸けられた早撃ち大会が開催されようとしており、多くのガンマンが集まっていました。エレンも出場を希望しますが、最初は女であることを理由に拒否されます。
しかし、エレンが牧師コート(ラッセル・クロウ)を救ったことで出場が認められます。エレンがリデンプションに来た真の目的は、かつてヘロッドに殺された父親への復讐でした。幼い頃、ヘロッドはエレンに銃を与え、父を救うよう命じた残酷な過去があります。大会が進むにつれ、エレンの復讐心は増していきます。ヘロッドの息子キッドやコートもそれぞれの思惑を持ちます。
決勝でエレンはヘロッドとの壮絶な決闘の末、ついに彼を倒し、長年の恨みを晴らします。そして、父の保安官バッジをコートに託し、エレンはリデンプションを後にします。
映画『クイック&デッド』の概要
映画『クイック&デッド』(原題:The Quick and the Dead)は、1995年にアメリカで製作された西部劇アクション映画です。サム・ライミが監督を務め、サイモン・ムーアが脚本を手掛けました。製作はジョシュア・ドーネン、アレン・シャピロ、パトリック・マーキー、製作総指揮はトビー・ジャッフェとロブ・タパートが担当しました。撮影はダンテ・スピノッティ、音楽はアラン・シルヴェストリが手掛けています。製作費は3200万ドルとされています。公開日は日本では1995年11月18日、上映時間は107分です。
監督:サム・ライミ
サム・ライミは、1959年10月23日生まれのアメリカ合衆国の映画監督、プロデューサー、脚本家です。彼のデビュー作は恐怖映画の古典となっている『死霊のはらわた』であり、その後、『スパイダーマン』シリーズなどの大ヒット作を手掛けたことで広く知られています。『クイック&デッド』は、彼のフィルモグラフィーの中でも異色の西部劇であり、派手な爆発シーンや奇抜なアクション演出が特徴的です。彼の独特な映像センスは、本作においても随所に発揮されています。
脚本:サイモン・ムーア
サイモン・ムーアは、映画やテレビドラマの脚本家として活動しています。彼の代表作としては、SFスリラー映画『フェイス/オフ』や、アクションアドベンチャー映画『トゥームレイダー』などが挙げられます。『クイック&デッド』では、西部劇の伝統的な要素を取り入れつつ、女ガンマンの復讐劇という現代的なテーマを融合させた脚本を手掛けました。
映画『クイック&デッド』のキャスト
エレン(シャロン・ストーン)
シャロン・ストーンは、本作の主人公である謎の女ガンマン、エレンを演じました。彼女はかつてこの町に住んでおり、父親がヘロッドに殺害されるという悲しい過去を持っています。早撃ちの腕前を持ち、クールで復讐心に燃える女性として描かれています。シャロン・ストーンは『氷の微笑』などの代表作で知られるセクシー女優ですが、本作では男勝りのガンマンを見事に演じきっています。
ジョン・ヘロッド(ジーン・ハックマン)
ジーン・ハックマンは、リデンプションを支配する悪名高き権力者、ジョン・ヘロッドを演じました。彼はかつてエレンの父親を殺害し、幼いエレンにトラウマを植え付けた張本人です。冷酷で非道な支配者として描かれ、早撃ち大会を利用して自身の権力を誇示しています。ジーン・ハックマンは数々の名作に出演しており、その圧倒的な存在感で本作においても強烈な印象を残します。
コート(ラッセル・クロウ)
ラッセル・クロウは、ヘロッドの元仲間でありながら、今は平和主義を唱える牧師、コートを演じました。かつては腕利きのガンマンでしたが、過去の罪に苦悩し、暴力から दूरざかる 生き方を 선택합니다。しかし、ヘロッドに無理やり早撃ち大会への出場を強いられます。ラッセル・クロウは本作出演時、まだアメリカではメジャーになる前でしたが、苦悩する牧師役を繊細に演じています。
キッド(レオナルド・ディカプリオ)
レオナルド・ディカプリオは、ヘロッドの息子を自称する若いガンマン、キッドを演じました。父親であるヘロッドに認められたいという強い願望を持ち、早撃ち大会で実績を上げようとします。血気盛んで自信過剰な面がありながらも、脆さも持ち合わせるキャラクターとして描かれています。本作は、『ロミオ+ジュリエット』や『タイタニック』といった大作に出演する前の作品であり、若き日のレオナルド・ディカプリオの瑞々しい演技を見ることができます。
その他の出演者
その他、トビン・ベル、ランス・ヘンリクセン、ゲイリー・シニーズなど、個性豊かな俳優たちが脇を固めています。
映画『クイック&デッド』のあらすじと結末
悪名高き支配者の町に現れた謎の女ガンマン
1881年、女ガンマンのエレンは、ジョン・ヘロッドが支配する寂れた町リデンプションに одиночка でやって来ます。町は年に一度の早撃ちガンマン大会を翌日に控え、異様な熱気に包まれていました。高額な賞金に惹かれた多くのガンマンたちが集まる中、エレンもその大会への参加を申し出ます。しかし、ヘロッドは彼女が女性であることを理由に最初は رفض します。そんな中、ヘロッドはかつての仲間である牧師コートを捕らえ、絞首刑にしようとしますが、エレンが早撃ちで縄を撃ち抜き、コートを救います。この出来事をきっかけに、ヘロッドはエレンとコートの大会出場を認めざるを得なくなります。
早撃ち大会の裏に隠された復讐の炎
実はエレンがリデンプションにやってきたのには、早撃ち大会への参加とは別の目的がありました。彼女は幼い頃にこの町に住んでおり、保安官だった父親がヘロッドによって惨殺された過去を持っていたのです。ヘロッドは父親を絞首刑にしようとした際、 어린 エレンに銃を渡し、「自分で父親を救ってみろ」と残酷な испытание を課しました。結果としてエレンは誤って父親を撃ち殺してしまい、その時の恨みを晴らすために、彼女は再びこの町に戻ってきたのです。大会が進むにつれ、エレンはヘロッドへの復讐の機会を伺います。
因縁の対決と衝撃の真実
早撃ち大会はトーナメント形式で進み、様々なガンマンたちが生死をかけた戦いを繰り広げます。ヘロッドの息子キッドは、父親に認められたい一心で大会に臨みます。エレンは、かつて父親の部下だったドックに正体を見破られ、ヘロッドを倒すことを託されます。エレンとコートの間には、互いを理解し合うような感情が芽生えます。ヘロッドは、自分を殺すために街の住人が殺し屋を雇ったことを知り、大会での戦いをより過酷なものとしていきます。準決勝では、ヘロッドがキッドを打ち破り、実の息子を容赦なく葬り去ります。そして、エレンとコートが対決することになりますが、コートはエレンを撃ち、ドックが彼女の死を確認します。
新たな保安官と女ガンマンの旅立ち
コートはヘロッドに最後の決闘を申し込みますが、その直前にヘロッドの建物が爆弾によって破壊されます。そして、死んだはずのエレンがヘロッドの前に姿を現します。彼女は死を偽装していたのです。エレンはコートと協力してヘロッドの手下を倒し、遂にヘロッドと一対一で対峙します。激しい銃撃戦の末、エレンは腕を負傷しながらもヘロッドを射殺し、長年の復讐を果たします。エレンは、父親の保安官バッジをコートに託し、彼にこの町の新しい保安官としての役目を託します。そして、エレンはリデンプションを одиночка で去っていくのでした。
まとめ
映画『クイック&デッド』は、シャロン・ストーン演じるクールな女ガンマンの復讐劇を軸に、ジーン・ハックマン演じる悪徳支配者との壮絶な戦いを描いた西部劇アクションです。若き日のレオナルド・ディカプリオやラッセル・クロウといった豪華キャストの競演も見どころの一つです。派手な銃撃戦やスピーディーな展開の中に、主人公エレンの過去の悲しみと復讐心が深く描かれており、単なるアクション映画としてだけでなく、ドラマとしても見応えのある作品となっています。