2001年に公開された映画『ジュラシック・パークⅢ』は、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、ジョー・ジョンストンが監督した、人気ジュラシック・パークシリーズの第三作目です。前作から舞台を移し、新たな恐竜の脅威と、行方不明になった息子を探す夫婦、そして古生物学者アラン・グラントが再び恐竜の島で繰り広げるサバイバルを描いています。今回は、そんな『ジュラシック・パークⅢ』の気になるネタバレを、あらすじから結末まで詳しく解説します。
ジュラシック・パークⅢのネタバレ!
古生物学者のアラン・グラント(サム・ニール)は、研究資金に困窮していたところ、カービー夫妻から恐竜が生息するソルナ島の上空を案内してほしいと依頼されます。しかし、彼らの本当の目的は、2ヶ月前に島付近で行方不明になった息子エリックの捜索でした。島に到着早々、巨大な肉食恐竜スピノサウルスに襲われ、一行は散り散りになります。
スピノサウルスやティラノサウルスといった凶暴な恐竜たちが跋扈する島で、アランたちはエリックを探しながら脱出を目指します。途中、ヴェロキラプトルに襲われたり、プテラノドンが生息するエリアに迷い込んだりと、次々と危機が訪れます。アランの助手のビリーが研究資金のためにラプトルの卵を盗んだことが発覚し、さらに状況は悪化します。
幾多の困難を乗り越え、アランたちは無事に成長したエリックと再会を果たしますが、依然として島からの脱出は困難を極めます。衛星電話で旧友エリーに助けを求めますが、スピノサウルスが再び襲来。絶体絶命の状況の中、知恵と勇気でスピノサウルスを退け、盗んだラプトルの卵を返却することでラプトルの襲撃を回避します。最終的に、エリーが手配した海兵隊によってアラン、カービー夫妻、そして奇跡的に生還していたビリーと共に島から救出されるという結末を迎えます。しかし、ラストシーンでは、プテラノドンが島の外へと飛び立つ姿が描かれ、新たな脅威の可能性を示唆しています。
「ジュラシック・パークⅢの概要」
映画『ジュラシック・パークⅢ』は、2001年に公開されたアメリカのSFアドベンチャー映画です。監督は、『ミクロキッズ』や『ジュマンジ』などで知られるジョー・ジョンストンが務めました。脚本は、ピーター・バックマン、アレクサンダー・ペイン、ジム・テイラーが担当し、前2作とは異なるオリジナルのストーリーが展開されます。製作総指揮には、シリーズの生みの親であるスティーヴン・スピルバーグが名を連ねています。
監督:ジョー・ジョンストン
ジョー・ジョンストンは、特殊効果の分野でキャリアをスタートさせ、『スター・ウォーズ』シリーズや『インディ・ジョーンズ』シリーズなどに参加した後、1989年に『ミクロキッズ』で映画監督デビューを果たしました。その後、『ロケッティア』、『ジュマンジ』、『オクトーバー・スカイ』など、SFやアドベンチャー要素を含む作品で高い評価を得ています。『ジュラシック・パークⅢ』では、前2作のスピルバーグ監督からバトンを受け継ぎ、よりアクションとパニックに重点を置いた演出で、新たなジュラシック・パークの世界観を構築しました。
脚本:ピーター・バックマン、アレクサンダー・ペイン、ジム・テイラー
ピーター・バックマンは、『裸の銃を持つ男』シリーズなど、コメディ作品の脚本で知られています。アレクサンダー・ペインは、『サイドウェイ』や『ファミリー・ツリー』など、人間ドラマに定評のある監督・脚本家です。ジム・テイラーは、ペインと共同で多くの作品を手掛けており、彼らの脚本は、エンターテインメント性の中に人間味あふれる描写を盛り込むことで知られています。『ジュラシック・パークⅢ』では、これらの脚本家たちの手によって、恐竜との遭遇という危機的状況下での人間模様が、スピーディーかつドラマチックに描かれています。特に、カービー夫妻の夫婦関係や、アランとビリーの関係性などが、物語の深みを増す要素となっています。
興行収入
『ジュラシック・パークⅢ』は、興行的にも成功を収め、北米で1億8千万ドル以上、全世界で3億8千万ドルを超える興行収入を記録しました。日本国内でも51億円を超える興行収入となり、2001年の洋画興行収入ランキングで第3位に輝いています。これらの数字は、シリーズへの根強い人気と、新たな監督によるアクション満載のストーリーが、観客に広く受け入れられたことを示しています。
ジュラシック・パークⅢのキャスト
アラン・グラント(サム・ニール)
アラン・グラントは、シリーズ1作目『ジュラシック・パーク』の主人公であり、古生物学者です。8年前のジュラシック・パークでの事件以来、恐竜に対して強い恐怖心を抱いており、「天変地異が起こっても絶対に恐竜の島へは行かない」と公言していました。しかし、研究資金の調達に苦労していたところ、カービー夫妻の高額な報酬に惹かれ、ソルナ島へ向かうことになります。演じたサム・ニールは、本作で初めて同じ役を再演しており、恐竜に対する葛藤や、子供嫌いだったアランがエリックと心を通わせていく様子を丁寧に演じています。彼の主な作品には、『ピアノ・レッスン』などがあります。
エリック・カービー(トレヴァー・モーガン)
エリック・カービーは、カービー夫妻の12歳の息子で、2ヶ月前に母親の恋人ベンと共にソルナ島付近でパラセーリング中に遭難し、島に取り残されていました。恐竜が大好きで、アラン・グラントの著書を読んでおり、サバイバル能力が高い少年として描かれています。2ヶ月間、インジェン社の古い施設で一人で生き延び、アランをヴェロキラプトルから救うなど、物語の重要な役割を果たします。演じたトレヴァー・モーガンは、当時子役として活躍しており、本作での勇敢な少年エリック役が印象的です。
ポール・カービー(ウィリアム・H・メイシー)
ポール・カービーは、カービー・エンタープライズの社長と名乗っていましたが、実際は小さなタイル塗装店の経営者です。行方不明になった息子エリックを捜索するために、アラン・グラントを騙してソルナ島へ連れて行きます。離婚した元妻のアマンダと共に息子を探す中で、見栄っ張りながらも勇敢な一面を見せ、家族の絆を取り戻していきます。演じたウィリアム・H・メイシーは、個性的なキャラクターを演じることで知られており、『ファーゴ』などの作品で高い評価を得ています。
アマンダ・カービー(ティア・レオーニ)
アマンダ・カービーは、ポールの元妻で、息子のエリックを深く愛する母親です。エリックを捜索するため、ポールと共にソルナ島へ向かいますが、島での危険を理解せずに大声で息子を呼び続けるなど、空回りしてしまう行動が目立ちます。しかし、物語が進むにつれて、ポールとの関係も修復され、母親としての強い愛情を示すようになります。演じたティア・レオーニは、『ディープ・インパクト』などの作品で知られています。
ビリー・ブレナン(アレッサンドロ・ニヴォラ)
ビリー・ブレナンは、アラン・グラントの助手で、若いながらも恐竜研究に熱心な青年です。研究資金を得るために、無謀にもヴェロキラプトルの卵を盗んでしまい、一行を危険な状況に陥れます。しかし、プテラノドンに襲われたエリックをパラグライダーで救出するなど、勇敢な一面も見せます。演じたアレッサンドロ・ニヴォラは、様々なジャンルの作品で活躍しています。
ジュラシック・パークⅢのあらすじと結末
禁断の島、ソルナ島への強行着陸とスピノサウルスの脅威
研究資金に困っていた古生物学者アラン・グラントは、カービー夫妻からソルナ島の上空ガイドの依頼を受けます。島には決して着陸しないという約束でしたが、上空に差し掛かると夫妻は強引に着陸を試み、アランは制止しようとしますが、不意打ちを受け気絶してしまいます。目を覚ますと、一行は既にソルナ島に降り立っており、アマンダは拡声器で息子のエリックの名前を叫び始めます。その直後、巨大な肉食恐竜スピノサウルスが現れ、一行を襲撃。逃げ遅れた傭兵クーパーは捕食され、離陸しようとした飛行機もスピノサウルスと衝突し墜落してしまいます。
生存者の合流と明らかになるカービー夫妻の真の目的
スピノサウルスの脅威から逃れたアランたちは、墜落した飛行機から物資を回収しようとしますが、操縦士ナッシュもスピノサウルスの餌食となってしまいます。アランはカービー夫妻を問い詰め、彼らの本当の目的が、2ヶ月前に島で行方不明になった息子エリックの捜索であることを知ります。しかも、夫妻は離婚しており、遭難したベンはアマンダの新しい恋人だったことも判明します。アランは夫妻に呆れながらも、共にエリックを探し、島からの脱出を目指すことになります。
ラプトルの襲撃とエリックとの再会、そして裏切りの発覚
島を探索する中で、アランたちはエリックたちがパラセーリングで不時着したと思われる場所を発見し、ビデオカメラの映像からエリックが生きていることを確認します。しかし、その近くでベンの遺体を発見し、アマンダは大きなショックを受けます。さらに、ヴェロキラプトルの巣を発見し、襲撃を受けますが、なんとか逃げ延びます。孤立したアランはラプターに囲まれて絶体絶命の危機に陥りますが、突如現れた少年エリックに救われます。エリックは2ヶ月間、一人で島を生き抜いていました。再会を喜ぶのも束の間、アランは助手のビリーが研究資金のためにラプトルの卵を盗んでいたことを知り、激しく非難します。
プテラノドンの恐怖と奇跡の救出、島からの脱出
エリックと再会したアランたちは、海岸に停泊しているはずの船を目指しますが、その途中でプテラノドンが生息する巨大な鳥籠のようなエリアに迷い込みます。エリックがプテラノドンに捕らえられそうになった際、ビリーは回収していたパラグライダーで勇敢にも助けに向かいますが、自身はプテラノドンに襲われ、川に落下してしまいます。その後、アランたちは船を発見し、衛星電話で旧友エリーに救助を求めます。スピノサウルスの最後の襲撃を辛くも退け、盗んだラプトルの卵を返却することでラプトルの襲撃を回避。最終的に、エリーが手配したアメリカ海兵隊のヘリコプターによって、アラン、カービー夫妻、そして奇跡的に生きて救助されていたビリーと共に島から脱出を果たします。しかし、ヘリコプターが飛び立つ中、プテラノドンが島の外へと飛び立つ姿が映し出され、物語は幕を閉じます。
まとめ
『ジュラシック・パークⅢ』は、前作の反省を踏まえ、シンプルなストーリーラインとスピーディーな展開で、観客を飽きさせないエンターテインメント作品として完成しました。原点回帰をテーマに、自然の脅威や人間の傲慢さといったシリーズの根幹にあるテーマを描きつつ、家族の絆や勇気といった普遍的なメッセージも内包しています。ラストシーンのプテラノドンの飛翔は、恐竜たちが新たな世界へと進出する可能性を示唆しており、今後のシリーズ展開への含みを持たせる印象的な結末となっています。