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映画『クライ・マッチョ』ネタバレ解説!ラストのセリフの意味とは?クリント・イーストウッドが描く“本当の強さ”

名匠クリント・イーストウッドが監督・製作・主演を務める映画『クライ・マッチョ』。ロデオ界の元スターと、問題を抱えた少年の交流を通して、「今、必要な本当の強さ」を問いかけるヒューマンドラマです。90歳を超えたイーストウッドが、過去の自分自身を投影しながら、新たな境地を切り開いた本作。そのネタバレを徹底解説します。

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『クライ・マッチョ』のネタバレ!

物語は、ロデオ界の元スター、マイク・ミロが、かつての雇い主から、メキシコに住む息子ラフォを連れ帰るよう依頼されるところから始まります。マイクはラフォを連れてアメリカを目指す旅の中で、様々な困難に直面し、心を通わせていきます。

結末では、ラフォは父親の元へ、マイクは旅先で出会った女性マルタの元へと戻り、それぞれ新たな人生を歩み始める。

マイクは、少年ラフォとの交流や道中での出会いを通して、「マッチョイズムは過大評価されている」という考えに至り、「本当の強さとは何か」を悟るのです。

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『クライ・マッチョ』の概要

監督 クリント・イーストウッド

ハリウッドのレジェンド的存在であり、俳優・監督・プロデューサーとして数々の名作を生み出してきた。『許されざる者』(1992) や『ミリオンダラー・ベイビー』(2004) でアカデミー賞を受賞し、90歳を超えてもなお現役で映画製作を続ける本作の監督・主演を務めた。

原作 N・リチャード・ナッシュ

同名小説(1975年発表) – アメリカの劇作家・脚本家であり、舞台劇を中心に活躍。『クライ・マッチョ』の原型となる脚本を手がけるも、20世紀フォックスには2度も却下される。そこでノベライズとして発表したところ好評を博し、後に映画化の話が浮上。その際、酷評された元の脚本をほぼ変更せずに再び提案し、ついに映画化が実現した。

映画化までには半世紀近い時間を要し、1988年にはイーストウッドにオファーがあったものの、当時は乗り気でなかった。

2021年製作のアメリカ映画で、上映時間は104分。

本作は、イーストウッドの監督デビュー50周年を飾る作品。

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『クライ・マッチョ』のキャスト

マイク・ミロ(クリント・イーストウッド)

ロデオ界の元スター。落馬事故をきっかけに孤独な日々を送る。過去にはカウボーイハットとポンチョに身を包んだ腕利きガンマンであり、ダーティハリーと恐れられた刑事であり、退役した宇宙パイロットであり、老齢の麻薬の運び屋であった。

ラフォ(エドゥアルド・ミネット)

メキシコで母親と暮らす少年。愛を知らず、ストリートで闘鶏をして生活している。

ハワード・ポーク(ドワイト・ヨアカム)

マイクの元雇い主。ラフォの父親。

リタ(フェルナンダ・ウレホラ)

ラフォの母親。酒浸りの生活を送っている。

マルタ(ナタリア・トラヴェン)

マイクとラフォが立ち寄った町の食堂の女主人。心優しい女性。

映画『クライ・マッチョ』のあらすじと結末

ロデオ界のスターの転落と新たな依頼

ロデオ界のスターだったマイクは、落馬事故で全てを失い、孤独な生活を送っていました。そんなある日、かつての雇い主ハワードから、メキシコに住む息子ラフォを連れ戻してほしいと依頼されます。ハワードは、離婚した妻が息子を虐待していると主張し、ラフォを連れ帰ることをマイクに託します。マイクは、過去に世話になった恩義から、この難しい依頼を引き受けることにします。

メキシコでの出会いと逃避行

マイクはメキシコへ向かい、ラフォを見つけ出しますが、母親リタは息子を手放そうとしません。ラフォは「マッチョ」と名付けた闘鶏用のニワトリを大切にしており、母親に愛想をつかして家を出て、ストリートで生活していました。マイクはラフォに、アメリカの牧場主である父親が会いたがっていることを伝えます。ラフォはアメリカ行きに希望を見出し、マイクの車に乗り込みますが、母親とその手下がアメリカへ行くのを妨害し、道路は警察に封鎖されていました。2人はリタの手下や警察から逃れながら、アメリカを目指す旅に出ます。逃避行の途中、アホたれの警官に出会うも、ラファの賄賂で退散。

町での交流と心の変化

道中、2人は様々な人々と出会い、交流を深めます。特に、食堂を営むマルタとの出会いは、2人の心に温かい光を灯します。マイクとラフォは、ある町で親切な食堂の店主マルタとその孫たちと交流し、幸福感を味わいます。マイクは、ラフォに馬の乗り方を教えたり、動物の世話をしたりする中で、自身の経験を活かし、人々に感謝される喜びを再び感じます。マイクは馬を手懐け、ラフォに乗馬を教え、町の人から動物の世話を頼まれるなど、その能力を発揮します。保安官補もマイクを信頼するようになっていました。マルタとマイクは惹かれ合い、ダンスを踊り、キスを交わします。

それぞれの選択と新たな始まり

ラフォの母親の手下からの追跡、警察からの追跡をかわしながら、2人は国境を目指します。ラフォは父親に会うためアメリカへ、マイクはマルタの元へ戻ることを決意します。

国境にはハワードが迎えに来ており、ラフォは父親と再会を果たします。マイクはラフォに別れを告げ、マルタの元へと戻ります。その際、ラフォはマイクに闘鶏のマッチョをプレゼントします。ラストシーンでは、マイクがマルタの店でダンスを踊る姿が描かれ、新たな人生の始まりを予感させます。

まとめ

映画『クライ・マッチョ』は、クリント・イーストウッドが「本当の強さとは何か」を問いかける、感動的なヒューマンドラマです。 90歳を超えたイーストウッドが、自身の過去を振り返りながら、「マッチョイズムからの脱却」、「共同体への回帰」というテーマを描き出しています。 暴力に頼らない、優しさに満ちた物語は、観る者の心を温かく包み込み、「人生はいつからでもやり直せる」という希望を与えてくれます。